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Cast Interview

塚本 朝日 役 佐々木 城光

 

①あなたにとっての「ふるさと」とは何ですか? そして、それはどこですか?

「ふるさとって、場所ではないのでは」と、最近思うようになりました。きっかけは、大学進学に伴う上京です。僕は宮城県の仙台市で生まれてすぐに福島県福島市に引っ越し、そこで約18年間過ごしました。そのため、当然、僕の思い出の大半はあの町にあります。しかし、年を経るごとに、思い出って曖昧になっていきますよね。僕は、場所や人から記憶を辿っていくことが多いのですが、あの町はどんどん変わっていって、僕が知っている福島市じゃなくなっていく。僕もそうであるように、僕の友達、恩師は、かつていた場所にはもういないのです。「悲しいな」って思う反面、止めることのできない無常さも感じる瞬間です。ただ、そんな曖昧な思い出、悲しさ、無常さを共有できる親友、恩師、両親、弟、妹と話していると、曖昧ながらも、僕の思い出は色を取り戻します。そんな瞬間に
、僕の中の “ふるさと” は存在しているのかな、って。実際に存在した、確かだけど曖昧な瞬間。それが僕にとっての “ふるさと” です。ちょっとポエチック(詩的)すぎるか……(笑)

 

②その「ふるさと」に住めなくなってしまったらどうしますか?

 

僕の家族は、父、母、僕、弟、妹の5人なのですが、単身赴任や進学による上京の関係で、今現在、実家には母と妹しか住んでいません。さらに、妹も大学は関東を考えているようです。母が1人になった時には、お金がもったいないから実家を売るかもしれないと、父に言われました。しかし、実家は僕の帰る場所で、家族がいつも暖かく迎えてくれるところです。そんな実家がなくなるかもしれないのです。変わっていく町の中で唯一不変であり、僕の思い出の根底に位置するものです。それがなくなったら、僕は “ふるさと” を思い出すチャンスが減ってしまう。とても怖いです。これから僕は色々な所に住むのだろうけど、実家に代わるものなんてありませんから。

 

③土地に関して興味のある社会問題(領土や移住、立ち退きなど)は何ですか? それはなぜですか?

福島という場所で育ち、東日本大震災を経験した身としては、福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染問題、また、それに付随する立ち退き問題に関心があります。見えないものが理由で自分が住んでいた土地に入れないという、言いようのない悔しさ、悲しさ。「未だに地元に住む友達や両親は、本当に大丈夫なのかな」と、避難区域でない場所でも
不安になります。前例が少ない放射能汚染に関しては、政府や専門家の意見も、完全には信じられません。

 

④『ぼくのページ』の見どころはどんなところ?
 

舞台が学生寮、そんで古すぎて閉寮が決まっているところが、僕の住む第二男子寮にそっくりすぎて、最初、驚きました。様々な特色を持った人々が集まる学生寮って、人間関係が難しいですよ。しかし、難しい分、普通に接しているだけでは友達にならないヤツとも仲良くなれたりするんです。ぼくのページでも、「現実にいるなあ、でもさすがにおかしくないか?」っていうキャラクターたちが、お互いを徐々に理解し、仲良くなっていくんですよ。これって、脚本を書いたのあのえるさんがどんな人とでも仲良くできるからこそ、変人たちでも違和感なく仲良くなれるのかなって思います。だから、そこを見て(笑)
 


⑤演じる役はどんな役ですか?
 

チャライです。難しいです。「いつもこんな喋り方してるヤツ、お疲れ様」って感じです(笑)
 


⑥伝えたいことがあれば、なんでも。
 

宝くじあたらないかな……。

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