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Cast Interview

松和 桃子 役 農坂 夢香

 

 

①あなたにとっての「ふるさと」とは何ですか? そして、それはどこですか?


大学に入ってから、色んな人に「出身はどこ?」と訊かれます。ゲームで出身地別にチームを作ったりもします。そんな時に「宮城!」とか「沖縄!」って答えられる人が、本当に羨ましい。私は、自分の出身がどこなのか即答できません。もちろん、「どこで生まれて、どこに何年間住んでいて、どこに引っ越して、そこで何年間住んでいたのか」は知っています。でも、今まで住んできた場所の中で、「どれが自分の出身地なのか、自分のふるさとなのか」と訊かれると、困ってしまう。特定の場所に長い期間住んだことが無いので、地元の友達もいないし、いわゆる「地元愛!」と呼ばれるものも、持ったことが無いからです。そんな私にとって、今回の質問は非常に難しいのですが、敢えて答えるとするならば、小学校5年生〜中学校2年生の間に住んでいた外国です。今の自分の人格が形成された場所ですし、ふと、思い出すんですよね、その時の匂いというか、香りというか。鼻が覚えてるんですよね、その町の匂いを。その香りで、急に、懐かしくて恋しくてしかたない気分になります。なんとなくの感覚でしかないですけど、そんな気持ちにさせてくれる場所が、私のふるさとなんだと思ったり、思わなかったり。



②その「ふるさと」に住めなくなってしまったらどうしますか?
 

引っ越しが多いと、1つの場所に執着しなくなったりするもんです。困ったもんです。だから、ふるさとに住めなくなったからって、湧き起こる感情はあまりうまく想像出来ません。でも多分、そのふるさとで暮らした思い出を「ふるさと」にして他の場所で生きていきます。実際、今だってそういう状況です。①で書いたふるさとに戻ることはもう無いでしょうし。もし何かの力(権力や自然の力など)によって住めなくなったとしても、抵抗はしないと思います。「次へ、次へ」って考えちゃうからですかね。



③土地に関して興味のある社会問題(領土や移住、立ち退きなど)は何ですか? それはなぜですか?


東北での立退き(2011年3月の、福島第一原子力発電所事故の影響による居住制限区域)の問題です。同じ日本での出来事なので、より身近に感じているのかもしれません。東日本大震災後、何度か被災地に足を運んでいるのですが、仮設住宅の方々がいつもおっしゃっていたのは、「家に帰りたい」でした。ボランティアで来て暢気に「ふるさと」を謳う残酷さは、本当に計り知れないものなのかもしれません。



④『ぼくのページ』の見どころはどんなところ?


それぞれのキャラクターにこめられたメッセージです。もし演出さんに「キャラクターにメッセージなんて込めてない」って言われたら、もうどうしましょう。勝手な解釈なんですけどね。彼らの持つメッセージのぶつかり合いや融合が、気持ちいいんです。どのキャラクターも魅力的で、きっと好きになれると思います。あ、あと、劇中の音楽も素敵なんですよ!


⑤演じる役はどんな役ですか?


松和桃子、女の子です。こんな女の子、「現実にいるかどうか」って言ったら、ちょっと微妙じゃないかっていうレベルの女の子です。普段、あまり女の子役をやらせてもらえないので、嬉しいです。ちなみに、松和桃子は、ふと心に思ったとしても普通の人は複雑な思考で抑えこんでしまう感情を、ストレートに出せるバカだと思っています。頭はおかしいんだと思ってます。でも、凄く人間臭いっていうか、「これが『生きてる!』ってことじゃないの?」って思わせてくれる、素敵な子です。

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