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Cast Interview

南 リエナ 役 のあ のえる

 

①あなたにとっての「ふるさと」とは何ですか? そして、それはどこですか?  

 

生まれてから、転々と引っ越しを続けていました。ひとところにルーツを持たない根無し草のように思われるかもしれませんが、わたしは、それぞれに「ふるさと」と呼べる場所を、たくさん持っているように感じています。ただ、どこに移住しても「自分はよそ者であり来訪者である」という感覚が強く、現在住む地域は1番長くなりましたが、それでも、生まれてからずっと住む人と比べて「土地の者ではないのだ」と、どこかで思うのです。

 


②その「ふるさと」に住めなくなってしまったらどうしますか?


幼い頃より、転居する度に、物を手放す度に、人と別れる度に、大なり小なり、喪失感や虚無感を感じます。わたしという人間の中には、この感覚が、何度重ねても慣れず、いくつになってもあり続けるのでしょう。かつて、事情により、住んでいたお家が取り壊される経験を致しました。台所やベランダがむしり取られて運び出されるところも、瓦礫になっている様も、目の当たりにしました。借家でしたし心構えがありながらもそれほどのショックを受けましたから、天災や紛争などによって突然に住み処を奪われる方々の痛みは、計り知れません。

 


③ 土地に関して興味のある社会問題(領土や移住、立ち退きなど)は何ですか?それはなぜですか?


どの歴史上の戦争でも、領土は常に問題になります。敗戦国は戦勝国によって、土地・言葉・住まい・権利などを左右されます。その影響は長く長く続いてゆきます。その中でも特に、紛争や天災などで移住を迫られた方々の、2世・3世の世代が持つアイデンティティに、深く興味を持っています。例えば、紛争で祖国を後にし、隣国の難民キャンプで出産した女性がいます……すると、そこで生まれたお子さんにとっては、そこが生まれ育った場所になります。母と共に暮らし、友人ができる。母親が祖国に帰ると決めたら、そのお子さんは、見たこともない「祖国」をどうお感じになるのでしょうか。きっと自分の血筋のルーツとして特別な感情を持つ場所には相違ありませんが、果たしてふるさとにはなり得るのでしょうか。また、2者以上が領土を巡って争っている場合、その問題は、何をもって解決とされるのでしょうか。乱暴な話ですが、戦後サハリンと化し、徹底的に失われた南樺太を、日本が取り戻したとする……現在そこに生活しているロシア民族その他を追放し、日本人が流入し、日本建築と日本文化を復活させる……日本は、領海域や資源を手に入れるかもしれません。しかし、当時そこで生まれ育った日本人は、もうそこへ戻っても、当時の姿は跡形も無くなっているのを目の当たりにするだけなのです。また、ソ連統治後にそこで生まれ育ち、その土地を愛している現在の住民は、何処へいらっしゃるのでしょうか。
 


④「ぼくのページ」の見どころはどんなところ?

 

共演者の皆さんが、お1人お1人、とても魅力的です。放出されているというよりは、静かに滲み出るような魅力を持った方たちですよ。

 

 

⑤演じる役はどんな役ですか?

 

いやな人ですよ。

 


⑥伝えたいことがあれば、なんでも。

 

他の皆さんのインタビューへの御回答がとても面白かったので、是非、読んでみて下さいね。本当は、お客様からもお話を聞きたいぐらいなのです。

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